日時
2025年10月25日(土)10:00~15:00
場所
合川公民館 研修室1・2及びオンライン(Zoom、YouTube)
講師
国際教養大学専門職大学院 グローバル・コミュニケーション実践研究科
日本語教育実践領域 特命教授 伊東 祐郎氏
国際教養大学 日本語プログラム 高橋 里帆先生、樋渡 康敬先生、町田 絵美先生
秋田県 地域日本語教育 総括コーディネーター 平田 友香氏
チラシ
レポート
初心者向け講座の2日目では、「地域日本語教室ってどんなところ?」と題し、伊東祐郎先生に講義を行っていただきました。参加者同士がお互いを知るためのアイスブレイクでは「助詞」を使わない自己紹介に挑戦。助詞を使わずに話すことが難しいということ、同時に、助詞を除いて話しても十分にコミュニケーションが可能という発見がありました。この体験から、文法指導にこだわり過ぎない学習支援のありかた、可能性について、伊東先生からの問題提起がありました。母語は自然習得するものなので、自分の言語の何が母語話者以外の人々にとって難しいのか気づきにくい。学習者の立場になって学習支援をすることは、一方的に「教える」ということではなく、支援者自身も自分の母語を知り、相手の言語を知る、「双方向」の活動になるのではないか…。学習支援という活動を、自分がどう捉えるかによって、支援の内容も効果も変わってきそうです。
また、日本の外国人材受入制度の現状、受入政策における課題について学び、日本語教育の現状についても理解を深めました。その中で、この日の講義のタイトルにも掲げられている、「地域日本語教室」という場所がどのような役割を果たしているのか、また、どのような役割を今後期待されるのかについて考えることができました。日本語教育の場が、日本語を教える人材と在住外国人相互の学びの場、コミュニケーション活動の場であること、そして、地域の日本語教室は在住外国人の「居場所」であると同時に、多文化接触・多文化交流の最前線であることが理解できました。
午後は、実際に地域に暮らしている在住外国人3名との交流の時間もありました。普段どんなお店で買い物しているのか、好きな場所は?その理由は?など、「生活マップ」を用いながら会場、Zoomともに、外国人参加者との交流を楽しみました。「フォトランゲージ」活動では、様々なお店、場所で食事する人々の写真を見ながら、それぞれが何を「豊かさ」と感じるか、考えを共有しました。
参加者の皆さんからは、「学習者と支援者は対等の関係で、ニーズにあわせてサポートしていく大切さを改めて感じた」「日本語を学ぶ人の視点で話したことがないので、たくさん気づきあった」といった感想をいただきました。
日本語教育=教える・教わるではなく、ともに学び合うという新しいビジョンを、参加者全員で共有することができた1日でした。










