日時
2024年11月9日(土)
10:00~15:00
場所
秋田県社会福祉会館 本館A棟「第3会議室」
講師
国際教養大学 日本語プログラム
近藤裕美子先生、平田友香先生、町田絵美先生、高橋里帆先生
チラシ
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レポート
11月9日(土)、4週にわたり開催してきた日本語学習支援者養成講座「授業に役立つ学習支援のポイント総まとめ」の最終回を開催しました。
午前の部では、インドネシア出身の技能実習生、アメリカや台湾出身の会社員、ベトナム出身の留学生の市内在住者6名を学習者役として迎え、各グループで前週準備した質問シートを元に学習者の声を聞くアクティビティを行うとともに、2~3グループずつの入れ替え制で「いろどり」を使用した模擬授業を行いました。
学習者の声を聞くアクティビティでは、各グループに1人ずつ学習者役の方が入り、15分のセッションを2回、学習者役を変えて行いました。模擬授業に向けて学習者のことを知るとともにリラックスしてもらえるよう、各グループとも「やさしい日本語」や文化の違いなどに配慮しながら、用意した質問を中心にやり取りを進めました。進行役の町田絵美先生からは、より自然なコミュニケーションになるよう、個別の質問を重ねるのではなく、学習者の返答から話題を広げるイメージで進めるようにとのアドバイスがあり、受講者は学習者から自然に情報を引き出すことの難しさを改めて感じたようでした。
ついに迎えた模擬授業の時間では、グループ内で導入、基本練習、応用練習といった役割を分担し引き継ぐリレー形式で授業を行いました。はじめに、第15課「~んです」を教える3グループが同時進行で授業を行い、残りのグループは各グループの授業を自由に見学しました。その後、第9課「~てもらえませんか」を教えるグループも同様の流れで模擬授業を行いました。
同じ課を教えるのでも、絵カードを使用したり、作成したスライド資料をパソコンで見せたり、ホワイトボードを使用したり、応用練習としてロールプレイを行なったりと色々なスタイルの授業があり、入念な準備と工夫を凝らした内容に先生方も感心していました。
午後の部では、平田友香先生を進行役に、午前の模擬授業の振り返りを行いました。ワークシートをもとに各グループで模擬授業の上手くいったこと、改善したいと思ったこと、Can-doの目標に到達できたかなどを話し合い、各グループ代表者が発表して全体で共有しました。また、見学者の立場からのフィードバックとして、他のグループの授業の良かった点や、真似してみたいと思った点、こうしたら更に良いのではと思った点などについて、会場内を自由に回りながら意見交換を行いました。お互いに色々な気づきを得て、今後の活動に向けた刺激になったようです。
最後に、4日間の講座全体のまとめとして、これからの日本語支援で重要となる、Can-doを取り入れた支援について、近藤裕美子先生からお話がありました。「みんなの日本語」などの教材・文型に対応するCan-doのリストや、学習者に合ったCan-doを見つけられるリストなど、支援者がCan-doを考えるのに便利な情報を教わるとともに、Can-doが支援者の活動案作成だけでなく学習者のレベルの理解や目標の共有に役立つことなど、Can-doを活用することの有効性を学びました。
受講者からは「グループ内、見学者、先生方からたくさんフィードバックをもらい、勉強になった」「たくさんの受講者や学習者の方と接することができ、日本語支援に関わりたいと思うようになった」「学習支援者として大切な事柄をたくさん教えてもらえた」といった感想があり、学習者役の方々からも「とても楽しかった」「勉強になった」「また日本語を習ってみたい」との嬉しい反応をいただきました。授業実践を通じて学習支援のポイントを再確認するとともに、日本語を教えることの奥深さや楽しさを感じられた1日となりました。
終わりに、当講座を開催するにあたり、講師をお務めくださった国際教養大学の先生方、技能実習生をご紹介くださった株式会社たけや製パンさま、学習者役としてご協力くださった皆さまに心から感謝いたします。
また、受講者の皆さまが、今回の講座で学んだ知識や実践体験を活かし益々ご活躍されますようお祈りいたします。「あきた日本語サポーター」へのご登録もお待ちしております!